人からの評価は正しいか、否か
正確な自己評価は難しい。
「私は○○な人間です」と思っていても、実際他人にそれを言ってみれば「いやいや、あなたはそんな人間じゃないですよ」と言われたり、する。己は不真面目だという認識は、他人に言わせれば「真面目そのもの」になるし、大雑把だという認識は「存外きっちりしているじゃないか」と言われたり、する。
自己評価と、他者評価は大抵ずれる。
じゃあ、他者評価の方が正しいかと言われたら、そんなことはないのだから悩みどころだ。
口数の少ない人を「余計なお喋りをしない」と評価する人もあれば「世間話も出来ない未熟者」と罵る人もいる。
ゆったりとした動作の人を「せかせかしていない、優雅な人」と思う人もいれば「とろくさくてイライラする」と思う人もいる。
自己評価はだいたい、他人から得るそれとはずれこむ。
でもだからといって、たまたま聞こえてきた他者評価だけを採用するのは結構、危険だ。
自分の持つ性格や、特性についての、他人から与えられた評価は、時に、とんでもなく極端で、悪意に満ちたものかもしれないから。
ひとつのことに集中できるのを
「周りが見れない、視野が狭い」
と詰る人もいるし
好奇心が旺盛で色んな分野を見聞きしているのを
「ふらふらしていて、落ち着きのない、浮わついた人間」
と断じる人もいるのだから。
他者評価を、真に受けるのは結構リスキーだな、と思う。